教育現場でご活躍される方々へ

日本語が亡びるとき」の中で取り上げられた、日本における英語教育、また朝日新聞に掲載された「高校英語、英語で教えるべし」学習指導要領の改訂案を読んで、自分がどうやって英語を勉強したかを考えてみた。


個人的な経験と意見だけど、どうにかして学校の先生の耳にでも入ってくれたら嬉しい。



なぜ英語を勉強したか
高校卒業してカナダに来て、sugarとsaltの違いも分からないところから今ではカナダ人と同じ教室で勉強している。



義務教育時代、学校での英語の成績は本当に悪かった。一番の苦手教科であり、嫌いでもあった。
なんで嫌いになったのかはうすうす覚えている。



小学校の時は、親の言いなりのままに週一回の英会話教室に連れて行かれ、how are you?と聴かれればI'm fine, and you?と答えるという事を教わり、友達の知らない英語を話せた事がさりげない自慢だった

中学校に入り英語が必修になり、始めのクラスで、自慢の英語をみた自分は、こんなの楽勝と、見事に勉強を怠った。
中学二年に再び教科書を開いた時にはもう遅く、授業に遅れ始めたのが原因で、意味の分からない英語への反抗心が芽生えた。


なんで日本人の俺が英語なんかを勉強しなきゃいけないんだ
それが分からなかった。


しまいには、英語の先生に聞いた
「なんで英語勉強しなきゃいけないんですか」

でも先生からは納得する返事は返ってこなかった気がする



それ以来英語とは縁のない生活を続け、時は高3、進路を決めなきゃいけない時期になる。


一人進路が決まっていない自分は、興味のあった海外ボランティアがしたくて、横浜にあるJICAに一人乗り込んだ。

そこでの経験が英語をもう一度、一から勉強しようと思うきっかけになった。



JICAを訪れると、わけも分からず同じ日に社会見学に来ていた私立女子高の生徒と一緒に行動するはめになり、運良くJICA職員とディスカッションできるセミナーに参加させてもらった。


そこで自分は、一言も喋る事が出来なかった
女子高生とJICAの職員はみんな、流暢な英語で自分を置き去りにしていった



その時初めて知った
「あっ英語話せると世界の人と話せるようになるんだ!」



それ以降、学校に唯一いた外国人教師の英会話クラブに入り、英語を勉強する決意を決めた



福翁の「はげしい」勉強法 内田樹の研究室

外国語は「檻から出る」ための装置


この装置が欲しいがために今は、ここカナダで英語三昧な生活を送っている。



福翁の「はげしい」勉強法 内田樹の研究室

外国語は「私がそのような考え方や感じ方があることを想像だにできなかった人」に出会うための特権的な回路である。


ここです!
これが楽しくてしょうがく、もの凄く重要な事。
子供はその存在され教えてくれれば、必ず自分から進んで勉強する




台湾人や韓国人と話せば今でも徴兵制があることを知り、中国人が自分よりはるかに日本のドラマを見ていることに驚く。

こういった日々の発見を、自ら手に入れる鍵、それが英語、それが<普遍語>



水村美苗さんも言うように

最も重要になるのは、<普遍語>を読む能力である。


正直、日本にいながら、話せるようになるのは凄く難しい。
週二回を三回に増やしたところで、英会話は身につくものではない。




カナダの学校に入る際にESLの先生に言われた。
「あなたはこれからカナダ人と同じクラスで勉強する。彼らにスピーキングで勝つことは出来ない。だから、読む力、書く力で勝負するんだ。」





英語教育の現場にいる先生方には次のポイントを押さえていただきたい。

なぜ今英語を勉強する必要があるのかを、情熱的により具体的に、一定期間とことん語って欲しい。
<普遍語>の<図書館>について語るだけでも、ものすごい魅力的で、

「タイムマシン」や「宇宙船」を所有するのに匹敵する豊かさ

を子供達は描くと思う。



英語教育は、<普遍語>を読む能力を最重要視する方向に向かって欲しい。

高校卒業時には、New York Timesの記事が普段読める位の読む能力を身につけるのが理想だと思う。



そうすることによって、ゆくゆくは、日本のマスメディアによって描かれた絵が全てではない事、世界の有力紙を読み比べ、自ら真実を探ることの意味を学んでいくようになれば、意味のある英語教育にあるはず。


読んでいただき、有難うございます。
また、日本の将来を担う教育の現場で活躍する先生方に、この場を借りて感謝の意を表します。