The Fortune at the Bottom of the Pyramid

ここ最近読んだビジネスの本で一番面白かったのがこの本

The Fortune at the Bottom of the Pyramid: Eradicating Poverty Through Profits (Wharton School Publishing Paperbacks)

The Fortune at the Bottom of the Pyramid: Eradicating Poverty Through Profits (Wharton School Publishing Paperbacks)


the Bottom of the Pyramid(以下BOP)で生活している貧困層を対象として、いかにしたらビジネスが成り立ち、そしてそこでビジネスをする事が、両者にとってどのようにベネフィットがあるかをいくつもの具体例やデータ、説得力のある説明で書いてある。



一日$1ドル以下で生活している人を相手にどうやってビジネスするの?
どのように貧困層を教育するのか?
インフラが整っていない地域にどのようにアクセスし、ビジネスをするのか?
貧困層に最先端テクノロジーの価値が分かるのか?
最先端のテクノロジーを理解できないのではないか?
現地で仕事をするといっても、どのように貧困層をトレーニングするのか?
・・・

こんな質問に一つ一つ事例や説明を加えながら、いかに

It is possible to "do well by doing good".

かを説く。



貧困地域の問題としては、一日$1以下で生活している人に対して今まで大企業がビジネスを展開してこなかった事で、地元の企業が独占的に支配し、非効率なビジネスによって値段が上がり、貧困層の手に届かないためにビジネスが成立しないといった悪循環が生まれていた。

the poor tend to reside in high-cost ecosystems even within developing countries.
・・・
the poverty penalty is the result of local monopolies, inadequate access, poor distribution, and strong traditional intermediaries.


例えば、インドのDharaviという貧困地域では、クレジットカードの年率が600-1,000%に対して都市部のWarden Roadでは12-18%。携帯電話の通話料はDharaviで毎分$0.04-0.05に対して、Warden Roadでは$0.025等々。

このように都市部に比べて貧困部のほうが圧倒的に値段が高く、そして収入が少ないために手が届かないといった現象が起きている。



他にも、電気が通っていないために、効率の悪いロウソクや石炭でニーズをまかない、多くの出費を払わなければいえけなかったり、情報不足のために適当な穀物の値段が決まらず、利益を損したりする。


このような問題を解決するには、NGOや政府といった組織だけではなく、Private-sectorやMultinational companiesが積極的にビジネス展開をし、効率の良く、cost efficientなサービスをinnovateする必要がある。


the successful BOP innovationsには以下のようなキーポイントがある。

price performance, scaling, innovative high-technology hybrids, and sustainable, ecologically friendly development.

例えば、物の売り方一つでも100グラムのシャンプーを$10で売るのではなく、1グラムから売ったり、$25のデポジットから始められるバンクアカウント、個人に貸すのではなくグループにオファーする事によって融資を可能するクレジットシステム、少数の病気や手術に集中する事で劇的に質を上げ、値段を下げることを可能にした病院などなど、様々なテクニックやアイデアがある。




自分の一番興味のあるものとしては"Energy for Everyone"に書かれているエネルギービジネス。
今注目されているクリーンエネルギーを使って貧困層に電気を供給するという試み。


6万人の貧困層に何が今一番欲しいかと聞いたところ、一番多かった声は食料ではなく、テクノロジーと教育だったという。


貧困層への電気の供給によって情報や教育にアクセス可能になり、健康条件や治安の改善や環境汚染問題の解消などに繋がり、経済的にも収入が上がったりProductivityが上がるなどの様々なメリットがある。



また、ソーラーパワーや風力発電といったrenewable energy technologyは、低価格な発電が可能で、石油に依存しない社会作りはこれからの社会モデルとしてはとても注目でき、先進国よりも早くクリーンエネルギーを導入すれば大きなアドバンテージにもなる。

the success of energy enterprises using renewable energy technology at the bottom of the pyramid might prove to be the most important innovation in the energy sector for years to come.



まだまだ、正直半分も本の内容を理解していないと思うので、もう一回じっくりと読み直して、改めてリサーチをしたい。
また、"energy for everyone"はとても需要が高く、これからも注目されるトピックなので、積極的に情報収集を重ね、アウトプットを繰り返していきたいです。


追記
今この本なんとGoogle Bookで全部読めます。
気になる人はこちらを
The Fortune at the Bottom of the Pyramid By C. K. Prahalad